サンタクロースの由来

 サンタ・クロースの起源は、4世紀の小アジア(今のトルコ)に実在した、ニコラスというカトリックの司教です。ニコラスは、貧しい人や子供達を助けたことで多くの人に慕われ、聖人とされて聖ニコラス(Saint Nicholas)と呼ばれました。後に、聖ニコラスはクリスマスのお祝いと結び付けられるようになりました。それはオランダで続き、17世紀になってオランダ人がニューアムステルダム(今のニューヨーク)を建設した際、その伝統も一緒にアメリカに渡りました。オランダ語で「Sinterklaas」と呼ばれていたのが、英語的な発音になおされて、「Santa Claus」、つまりサンタ・クロースとなったのです。

 ところが、19世紀に入るとサンタ・クロースが夢物語にしたてられ、トナカイのそりに乗ってやって来て、煙突から入って来るといったイメージをつけられてしまいました。「サンタ・クロースは子供達に夢を与えるから」とは言うものの、今ではサンタ・クロースがクリスマスの主役となり、さらにクリスマス商戦に利用されています。こうして、クリスマスの真の意味が失われて行くのは残念なことです。